2018年10月15日
カメラを前にして考えること
カメラ目線の写真を撮ってもらうとき、何を見て何を考えればいいのでしょうか
証明写真を自動で写してくれるボックスに入って1人で写真を撮る時も、写真屋さんに行って顔写真を撮ってもらう時も、目の前には無機質なレンズ、背景とライトに囲まれて、回りはあまり見たことのないものばかりという、ほとんど経験することない状況に置かれてしまいます。
そして十分に心の整理がつかないままあっという間に撮影が終わり、しばらくした後、ただ「ぼーっ」とした顔の自分が写真に写っている姿を見ることになります。
「緊張と失敗」
人生の中でそういうことを何度か繰り返していくことで、ますます写真を撮ることが嫌いになり、キライになることで写真を撮ることになるたびますます緊張してしまうことになれば、筋金入りの立派な写真嫌いがまた1人生まれてしまいます。
では、あらかじめそれなりの心の準備をしていたとは言え、殺風景な空間と何とも言えない緊張感の中で写真をとられる時に、人は何を見て何を考えればいでしょうか
僕が今出せる答えは、その写真のために必要なシチュエーションをできるだけ具体的に創造すればいいとおもいます。
例えば、就職活動のための証明写真なら、撮影の空間を面接会場、レンズの向こうには採用担当者がいると想像します。そして書類選考が通って面接に進めた嬉しい気持ちやこれからこの仕事を頑張っていこうと思う前向きな気持ちが表情に出ればいいと思います。
例えば、開業を控えたお医者様がご自身のホームページに乗せるための写真なら、その空間を診療室、レンズの向こうには病気で心細くなっている小さな子供さんがいると想像します。そしてその患者さんを安心させるために優しく話しかけるような気持ちが表情に出ればいいと思います
営業マンなら、レンズの向こうにはいつもお世話になっているお得意様にいつもありがとうございますという気持ちを、というふうに必要とされる写真ごとに必要とするシチュエーションやレンズの向こうに想像する人物、必要とする気持ちは変わりますが、ただ写真を撮られるのを緊張しながら待つのではなく、できるだけ具体的に写真の用途を考えてみましょう。
緊張は、その場でやることがなさすぎてどうしたらいいのかわからない状況が生み出すものですから、カメラの前で自分の写真の用途を具体的に想像することによって、緊張も薄れてくるのです。
今までの話を要約すれば、撮影の時間に架空の舞台で架空の人物を相手に、その写真の用途に最適な自分の気持ちを演じることかもしれません。
しかし、舞台や映画の俳優のように全く違う人物を演じるのではなく、自分自身がその場に置かれたことを想像することなのでそんなに難しくはりません。そしてそんな風に頑張った自分の写真は、今までの証明写真とは違い、それなりに納得いくはずです。
写真嫌いも少し治ると思いますよ。
上の写真は海外の大きなステージの上で表彰されることになったお客様の実際の表彰式のときのお写真で、後ろのスクリーンに映っている顔写真をしました。
世界で数人、日本からはただ1人と言う栄誉の中で、日本を代表すると言う誇らしい気持ち、サポートしてもらった方々への感謝の気持ちや、華やかなステージにふさわしい晴れ晴れとした気持ちなど、いろんな気持ちを提案する中で、ご自身の思いにあった表情の写真を大変気に入って選んでいただきました。
就活や受験、ご自身のホームページ、オーディションなど、大切な写真やはり自分自身が納得できる写真を使っていただきたいのです。