2018年10月13日
写真が苦手な人 感情と表情の連動について
カメラが発明されて以来、数え切れないほどの人の姿が写真の中に収まってきたことでしょう。
カメラ機材は飛躍的に進歩して、写真は身近になり表現方法も大きく変わりましが。その一方で今もなお写真を撮られるのが苦手だという人がたくさんいます
そういう僕も、若い頃は写真を撮ってもらう時にレンズを見つめるのは苦手でした(今もそんなに得意ではないのだけれど)、何かに夢中になっている時に、そっと撮ってもらうくらいがいいのだけど、視線をカメラに向けている写真はそれなりに必要だし、写真を撮ってくれる人が『は〜い、カメラを見て笑って〜』とテンション高めに言ってくれたら、もちろんそれを拒むこともできないので、その声の方向に向かってぎこちない笑顔を向けることになっていたのです。
しかし、僕が撮影する時に、被写体の方が「写真は苦手で…」とかおっしゃられた場合の解決策が必要となってくる中で、いろんな方とお話ししていると、早く終わって欲しいと思いながら笑顔を固めて「写真に写った自分が何を考えているかわからないような表情をしている」だとか「写真の中の自分の笑顔がぎこちない」「自分の笑顔がどうも嘘くさく感じる」などなど、写った写真がいつも気に入らないと多くの方がおっしゃる、そして僕も自分が写る写真を見たときにもそう思います
しかし、何かを考えることなくただ曖昧にカメラを見て、不自然に口角を上げただけの曖昧な笑顔を浮かべている自分の顔を自分自身が気に入らないのはほぼ当たり前の結果です。
カメラを前にして、メンタルが負けちゃってるんですよね。
きちんとした写真を撮る(撮られる)ためには、なんとなくカメラを見てなんとなく笑う、みたいな感情ではなく、きちんと明確な意思を持った視線をカメラに向けて、明確な意思を持った笑顔を作るということが大切なのです。
うちのスタジオで撮影された方、ほとんどの方がお帰りの際
「今度から写真を撮ってもらうときは今日みたいな感じでやってみます」
とおっしゃってくださいます。
「これからは、そんなふうに考えてお客様と接して行きます」とおっしゃってくださる営業マンの方もいらっしゃいました。
写真に気持ちなんて写るの?」「意思を持った笑顔ってどういうこと?」と思われる方はたくさんいらっしゃるかとは思いますが、「何か嫌なことあった?」とか、「嬉しそうですね」とか、声をかけたりかけられたり、感情と表情が連動することがおわかりの方は多いでしょう。
あとは、感情と表情の連動性を少し練習するだけで大丈夫なんです。
上の写真は僕が撮影した某ボーリング場の広告に使用されたものです。施設の熱気に負けないようにとカメラマンもモデルもスタイリストもヘアメイクもデザイナーもテンションマックスの楽しい撮影現場でした。
撮影の時、僕はモデルの女性に、大きな声で「やった〜!!」と叫んでくれと伝えたところ
そのモデルさんは、「写真に声なんか写らないから叫んでもさけばなくても一緒でしょ」と僕に主張してきました
じゃあ、と試しに何枚かの写真を撮って彼女に見せたら、「ほんとに声出している時のほうがだんぜんいい!」と瞬時に理解してくれて生き生きとした良い表情の写真を撮ることができました。
プロのモデルでも感情と表情との連動性について理解をしている人は少ないのですが、何度か確認すれば誰にでもすぐにわかることです。
安心してください、気持ちはちゃんと写真に写ります!